トルコ(オスマン)支配下でギリシャ人はどのように生きていたのか。この問いに対し、現在のギリシャでは二つの答えが並立している。一つは実際の史料に基づく見方、もう一つは「イスラム法」を理論的枠組みとして投影する「修正主義(リヴィジョニズム)」的な見方である。イスラム法が描いた世界――理論上の枠組みイスラムの世界観において、世界は「信者」と「不信者」の二つに分けられる。「信者」の義務は、「不信者」をアッラーの道へ導くことだった。この文脈には「聖戦(ジハード)」も含まれる。異教徒との和平は原則として禁じられ、許されるとしても限られた期間のみとされた。一方、「啓典の民」(ユダヤ教徒・キリスト教徒)は、一