オランダ出身のマタ・ハリは、東洋舞踊を専門とするダンサーであり、20世紀初頭のパリで絶大な人気を博しました。第一次世界大戦が勃発すると、芸術家という立場を生かしてヨーロッパ各地を自由に行き来できるようになります。しかし、ドイツへの旅から戻った彼女は、フランス政府によりスパイ容疑で逮捕されます。死刑判決を受けたマタ・ハリは、1917年10月15日、ヴァンセンヌにて銃殺刑に処されました。ダンサーの華やかな衣装が醸し出すエキゾチズムと、スパイ活動をめぐる謎から生まれた神話の裏には、実は一介の誘惑者(セダクター)の姿が隠れています。多くの歴史家によれば、彼女はせいぜい素人同然のスパイであり、その活動も