サディスティックな義父に苦しめられ、女装して故郷を脱出し、1300キロ離れた地から挙式——しかも相手は義理の妹だった。イラクの独裁者サダム・フセインの、忘れ去られた若き日々をたどる。 暴君の影の下で サダム・フセインは1937年に生まれた。その幼少期は決して恵まれたものではなく、そもそも独裁者に幸福な子供時代を送った者は少ない。彼は生まれる前から父親を失い、人生の最初の数年間を暴力的な義父の影の下で過ごした。後年、サダムはこう回想している。 「母は再婚した。だが、その選択は間違いだった。ハッジ・イブラーヒーム・アル=ハッサンには慈悲というものがない。間違いなく、あれは彼の農民的な気質のせ