後世に名を残すローマ史研究の双璧といえば、ドイツのテオドール・モムゼンとイギリスのエドワード・ギボンです。モムゼンが『ローマ史』で共和政ローマを描いたのに対し、ギボンは大著『ローマ帝国衰亡史』によって帝国の没落を描き切り、両者はしばしば並び称されてきました。今回は、そのうちのエドワード・ギボン――18世紀イギリスを代表する歴史家の生涯をご紹介します。『ローマ帝国衰亡史』とはエドワード・ギボンは1737年、イングランド南部のハンプシャーで比較的裕福な家庭に生まれました。彼のほかにも5人の兄弟と1人の姉妹が生まれましたが、無事に成長できたのはギボンただ一人でした。祖父は1720年の南海泡沫事件(南