謎に包まれた宮廷医師スクリボニウス・ラルグス(Scribonius Largus)は、西暦1世紀に活躍したローマの医師です。皇帝クラウディウス(在位:紀元41年~54年)の宮廷に仕え、ブリタンニア征服の遠征にもローマ軍に同行したと考えられています。彼が著した薬物処方集は17世紀までヨーロッパで使い続けられたほか、電気を治療手段として用いた最初の人物としても名を残しています。ところが、その生涯については多くが謎に包まれたままです。彼について分かることは、すべて本人の著作を通じて得られたものばかり。スエトニウスや大プリニウスといった主要な古代の資料には、その名前すら登場しません。特に大プリニウスと