タイタニックの悲劇を彷彿させる海難事故ソ連のクルーズ客船「アドミラル・ナヒーモフ」の沈没は、「タイタニック号」の悲劇的な最期に比べられる海難事故である。波の上での夢のような休暇を思い描いていた乗客にとって、この結末はあまりに残酷なものだった。事故現場は凄惨を極め、水面には数百の遺体が揺れていたという。1986年8月31日、モスクワ時間23時20分、「アドミラル・ナヒーモフ」は大型ばら積み貨物船「ピョートル・ワーショフ」と衝突し、沈没した。当時、船上には1,234人が乗り組んでいた。公式発表による犠牲者は423人だが、ソ連では多くの災害の実態が隠蔽されることが常だったため、実際の犠牲者数はさらに