「クィンティリウス・ウァルス、軍団を返せ!」この敗北の報せを聞いたアウグストゥスは、壁に頭を打ち付けながら「クィンティリウス・ウァルス、軍団を返せ!」と叫んだと伝えられている。ローマ市内にはパニックが広がった。楽勝のはずだった戦いで、蛮族の指導者が仕掛けた罠に落ちた2万人もの兵士が苦悶のうちに死んだのである。紀元9年、トイトブルクの森におけるローマ軍団の敗北は、「永遠の都」の住民に大きな衝撃を与えた。作家であり歴史家でもあったスエトニウスは、皇帝オクタウィアヌス・アウグストゥスの反応を次のように記している。この敗北の報せを受けると、アウグストゥスはパニックを防ぐためローマ市内に警備兵を配置した