パピルスから羊皮紙へ——西洋の筆記材料の歴史エジプトでは紀元前30世紀よりも前から、ナイル川の岸辺に生育するカヤツリグサ科の植物パピルス(Cyperus papyrus)を原料とする素材に文字が記されていました。その後、ギリシャ・ローマ時代に入ると、羊や山羊の皮をなめして磨き上げ、インクが定着しやすいよう加工した羊皮紙(パーチメント)の使用が広まります。しかし羊皮紙は非常に高価だったため、8世紀以降、写本職人たちは古い羊皮紙の文字を消して上書きし、再利用するようになりました。こうして生まれたのがパリンプセスト(重写本)と呼ばれる文書です。中国で生まれた紙——蔡倫の発明こうした課題への解決策を、