フランシス・フォード・コッポラ監督『ゴッドファーザー』(1972年)のマーロン・ブランドマフィアを題材にした映画は、ほぼ独立したジャンルと言えるほど確立されています。最も有名な作品群を生み出したのは、何よりもアメリカの映画監督たち、とりわけイタリア系の監督たちでした。アメリカ映画が世界中で配給されたことで、地球規模に広まった「マフィアのイメージ」は、これらの作品に大きく負っています。ハリウッドが製作した以上、当然ながらこれらの映画ではアメリカのマフィアが主役として描かれてきました。スコセッシが描く薄汚いパラノイアの世界シチリア出身の家系を持つマーティン・スコセッシ監督は、繰り返しマフィアという