スターリンといえば、ソ連の指揮権をほぼ無制限に握り、揺るぎない絶対的独裁者というイメージが一般的だろう。しかし実のところ、彼自身が足を踏み外した――少なくともそう感じた――瞬間が存在する。それはドイツ国防軍(ヴェーアマハト)が「バルバロッサ作戦」を発動し、ソ連領内への侵攻を開始したときである。この奇襲は、クレムリンの政治局をも完全不意打ちで襲った。独ソ不可侵条約とフィンランドとの冬戦争イギリスとフランスの消極的な態度に失望したスターリンは、ドイツと独ソ不可侵条約を締結していた。これによりヒトラーはポーランド進攻の自由を得ており、ソ連も2週間後にこれにならってポーランド東部を占領し、同国を分割し