ノルマンディー地方の都市カーンをめぐる戦いは、連合軍の上陸直後から始まった。イギリス軍とカナダ軍は即座に同市の占領を試みたが失敗。しかしドイツ軍もまた、連合軍を確保した地域から敵を追い出すことには失敗していた。ドイツ軍の反撃は成功したものの、イギリス第2軍司令官デンプシー大将は、自軍に対する強力なドイツ軍の攻勢を依然として恐れていた。だが彼の知る限り、対峙するドイツ装甲師団は個別に戦闘へ投入され、すでに戦局を覆せるほどの戦力は残っていなかった。もちろん常に危険な相手ではあったが、その能力はもっぱら防御と局地的な攻勢に限定されていたのである。こうした状況の中、ノルマンディー正面を指揮するロンメル