新年の前夜、「明日のこと」を思い悩んで憂鬱になる人は少なくありません。しかしアステカ人にとって暦の切り替わりは、単なる気が重い夜などでは済みませんでした。彼らは新しい暦の始まりに、ハリケーンの襲来や獰猛な獣の襲撃、そして世界そのものの完全な破滅さえも見ていたのです。 幸いにも、この終末の危険が毎年訪れたわけではありません。「たった」52年に一度の出来事でした。なぜ52年なのか。答えはアステカの暦――正確には暦「たち」にあります。彼らが持っていたのは一つではなく、二つの暦だったからです。 終わりは(いつも!)すぐそこに 最初の暦は260日周期で、主に宗教的な目的に使われました。しかし、季節とは無