「我が艦隊を自然現象と戦わせるために派遣したのではない」――1588年の無敵艦隊壊滅後にスペイン王フェリペ2世へ帰せられるこの有名な言葉は、3世紀前に日本征服を二度試みたフビライ・ハンの口から発せられても、まったく不思議ではないでしょう。今日「カミカゼ」と聞けば、第二次世界大戦中に連合軍の艦船や施設へ体当たり攻撃を仕掛けた旧日本海軍の特攻パイロットを思い浮かべる方がほとんどです。しかし「神風(かみかぜ)」という伝説の起源は、13世紀にモンゴル艦隊を二度にわたり壊滅させた、二つの巨大な台風にこそあります。元軍の艦隊を襲う台風文永の役(1274年)――最初の襲来と台風1274年、中国を支配下に収め