石油を持たない大国――ドイツの宿命ドイツは石油を産出しない。これは当時も今も変わらぬ事実である。1939年の時点で、ドイツは必要量の70%を輸入に頼っていた。第二次世界大戦が勃発すると、ドイツはほぼすべての国際石油市場へのアクセスを失った。唯一の例外がソ連であり、1939年8月に締結された独ソ不可侵条約(リッベントロップ=モロトフ協定)によってその扉が開かれた。以後18か月間、ドイツはソ連から毎月5万1000トンの石油を購入した。ソ連産の石油があったからこそ、ドイツ軍は西欧およびバルカンでの勝利の進軍を実現できたのである。しかしヒトラーは満足していなかった。クレムリンさえ決断すれば供給はいつ遮