「歴史漫画」と呼べる作品が誕生し、一つのジャンルとして確立したのは、1970年代から80年代にかけてのフランコ・ベルギー圏においてである。中でも特筆すべきは、エルマンの『ボワ=モーリーの塔』(1984〜2006年)とブルジョンの『黄昏の仲間たち』(1984〜1990年)だろう。いずれも中世を舞台としながら、単なる考古学的な再現にとどまらず、特定の時代の社会や生活を見事に映し出している。芸術的価値に加え、作者たちの歴史記述能力が作品を通じて忠実な時代像を捉えている点こそが魅力だ。その後も同様の作風を持つ作品が生まれたが、多くは中世か近世に焦点を当てており、古代世界は脇に追いやられがちだった。『グ