「母は大神官、父は知らず」――史上初の帝国を築いた男「わが母は大神官なりき。されど父なる者を、我は知らず」――この有名な言葉は、誇りと謙遜が奇妙に同居した表現として知られています(実際には数世紀後、紀元前7世紀頃に新アッシリア時代になって記録されたものです)。この言葉を残したのは、メソポタミアのアッカド王国に新王朝を打ち立て、古代最初の「大帝国」と呼びうる国家を創始した男です。その版図は隣国の古代エジプト帝国の実に4倍に及んだといわれます。彼の名は、サルゴン1世(大王)。二つの川が育んだ大地アッカドはユーフラテス川西岸に位置する都市でした。ユーフラテス川は現在のトルコ、アナトリア地方の山々に源