第二次世界大戦史上最も有名な逸話のひとつが「大脱走(The Great Escape)」である。スティーブ・マックイーン主演の不朽の名作として知られる1963年の映画によって広く知られるようになったこの事件は、1944年3月、ドイツの捕虜収容所シュタラグ・ルフトIII(Stalag Luft III)からの集団脱走計画だったが、実際に壁の外へ脱出できたのはわずか3人だった。しかし、あまり知られていない事実がある。それに先立って別の脱走がすでに成功していたのだ。これは「木馬(Wooden Horse)」と呼ばれる作戦である。 トロイの木馬さながらの脱走計画 この最初の脱走は1943年10月に