西ローマ帝国が蛮族の手によって滅亡した後、旧帝国領に定住した諸民族とローマの慣習が融合していきました。この変化は人々の食卓にも反映され、南欧のローマワインと北欧のビールが互いに補い合う形で中世の人々の生活を支えることになります。両者は競合関係ではなく、まったく別の市場でした。アルプス以北ではビールを、以南ではワインを飲んでいたのです。 「飲み物」であり「食べ物」だったビール 北方においてビールは、荒々しい戦士たちが勝利と繁栄を祝うための飲み物であると同時に、重要な「食料」でもありました。14世紀の文書には、朝食にビールを一杯、あるいはスープを一碗摂ることを推奨する記述があり、それは子どもに対