スターリンいわく、チャーチルとは「ポケットから最後のコペックまで奪い取る男」。一方のチャーチル自身も、長年ソ連の指導者との「個人的な小さな戦争」を戦ってきたと語っていた。しかし、両指導者間の秘密の往復書簡や会談・対話の記録が明らかになると、そこから浮かび上がってくるのは、これまでの通説とはまったく異なる関係の実像なのである。ウィンストン・チャーチルとヨシフ・スターリン。この二人は今なお人々に強い感情を呼び起こし、魅了してやまない存在だ。第二次世界大戦研究ではその人物像の分析に多くの紙幅が割かれており、両者の関係については、両国政府の公文書館や関係者の私文書コレクションに残された公式文書によって