片足を失った兄弟もいれば、重傷者は4人――それでも奇跡と呼べる話大祖国戦争(独ソ戦)中、ウクライナの集団農場で働く農民エウドキヤ・リセンコの10人の息子たちが、次々と前線へ赴きました。そして戦争が終わったとき、驚くべきことに全員が無事に家へ帰ってきたのです。公式記録だけでも約2800万人のソ連市民が命を落としたとされ、歴史家の中には犠牲者は実に4000万人に上る可能性があると指摘する者もいます。ひとつの家族から複数の死者が出ることも、決して珍しいことではありませんでした。ごく普通のソ連の家族リセンコ家は、母エウドキヤと父マカール、そして16人の子どもたち――11人の息子と5人の娘――で構成され